東京都美術館
今日は美術館に行ってきました。
特別展の吉田博さんという人の作品展です。
吉田さんはアーティストであり登山家でもあるのでした。
私が一番初めにいいと、思った作品は水彩画による山岳の風景です。
かなり広角な絵で、こりゃ絵画でしか表現できないと思いました。そして、山の谷間に浮かぶ雲を表現した色遣いは感動的でした。
そして、もう一枚水彩画でいいと、思ったのは霧の中にある家の絵です。
私はそういう表現しづらいものを、題材にした絵画が、好きです。
想像してみて下さい。霧の絵なんてどうやって描くのやら。
彼は初めに水彩画から始めて油絵、木版画と専攻を変えていったそうであります。
木版画で気に入った作品は3つ。
なにせ木版画が圧倒的に多かったのです。
木版画って小学校や中学校でやったあのやり方だよな?と目を疑うほど素晴らしい作品でした。
ここまですごくなきゃ作品展なんてできないもんな。
と、肩を落とした私でした。
さて、お気に入りの作品の発表に戻りましょう。
第3位はマッターホルンと家
登山家でもあった吉田氏は同時に旅人であり世界の百景を作ろうと試みていたようでした。
それは叶わぬ夢でしたが、旅行に行って行って行きまくっていた模様。
その一つであるマッターホルン。剱岳にも似ているその山の手前に洋風建築。
剱岳の木版画も素晴らしかったのですが、何を思ったかって、山の作品を見ていると、日頃自分がいかにオヤツを貪り欲に負けて低俗かと思い知らせてくれた作品でした。目の前の山を登っていく中で煩悩は一つずつ消えてっぺんを目指すことだけを考えます。ひたすらに足を進めます。そういうことを思い知る山の雄々しさを感じられる作品でありました。
そして、第二位は神楽坂の雨後という作品。
夜景です。灯籠に火がともり揺れるような様と濃紺の神楽坂の街並みは、彼が表現したいものが伝わるというか、それ、私もそういう時間帯のそういう空気好き!って言いたくて、、
夜の入り口の風景でした。
第一位はインドの寺社の中で修行する層たちを描いた一枚。
夕陽ががらんどうとした室内と人を照らしている様がありありと伝わりました。
そのフロアの冷たそうな様子や空気感までも、とても写実的に表されていました。
そんなわけで、吉田博氏の木版画展の感想でした。
東京都美術館で3月28日までやっております。
興味のある方は是非どうぞ。