「あたふた研修医やってます。」読んでみた
著者: 水谷緑andPOCHI
水谷緑さんの書籍は「精神科ナースになったわけ」に続いて2冊目です。
特に精神科のナースになりたいわけではなかったけれど、やっぱり人の心の仕組みに私自身もとても興味があるんだな、ということを自覚させてくれた本でした。
今回読んだこちらの作品
水谷緑さんと、ポチさんという循環器内科に勤務するドクターが執筆されています。
始めの方は研修医あるあるネタの連打で、
研修医と言えども素人に毛が生えたくらいのもので、と言ったら怒られそうだけど。
不甲斐なさがすっごく共感できて笑えます。
私も新人ナースの頃はほんとに素人以下で社会人としても未熟過ぎて。先輩や患者さんから大切な時間をもらって育ててもらったんだな、と申し訳なさと感謝の気持ちを思い出させてもらえました。
そして、各科のあらまし、先生のタイプなど細かく描かれていてわかりやすい!
例えば外科の先生は考えるより手を動かす、とか内科の先生は細かい、頭で考える、マニュアル重視。
救急科は勘がいい、体育会系、婦人科はハードな外科、分娩もオペもある。強い女性が多い。etc
などなど、思わず納得してしまいました。
これは看護師バージョンもあるとイメージがつきやすいなぁと思いました。
そしてやっぱり感動するのが患者さんとの関わり。
本当に働いていると、「自分は何もできていない」
って思うんです。もっと何かしてあげられないかなって。だけど、患者さんや家族にとっては病室に足を運んでくれて気を配ってくれるその気持ちが安心と力になるんだよなと再認識。
もちろん常に最善を尽くしてくれようと調べる姿勢や知識豊富な先生はそれだけで信頼できますけどね。
終盤、ポチ先生が循環器内科に師匠を見つけて進む科を決めるところを読んでいて、なんだかうらやましくなってしまった私でした。
というわけで、研修医の先生の卒業までのあらましをリアルに詳しく笑いあり涙ありで描かれているすてきな本でした。
クスッと笑えて難しい本に疲れた人のガス抜きにぴったりかと思います。
以上書評でした!